週末起業コラム

週末起業アイデアのお話し~好きなことで稼げるのがイチバン良い

好きなことは仕事(お金)にならない!?

「自分の好きなことは、仕事(お金)にならない」という考えが、ビジネスの世界にはあるようです。しかし、これは大きな間違いでしょう。自分が好きなことだからこそ、その分野の知識に精通していたり、他人が驚くような経験やスキルを積んでいたりするものです。むしろ、得意分野であるからこそ、ビジネスで成功しやすいということも言えるのです。

では、なぜ「自分の好きなことは、仕事(お金)にならない」という考えがまことしやかに語られているのでしょうか? その理由は簡単です。自分が持っている知識や経験、スキルというものを、「どうしたらお金に変えることができるのか?」という視点で捉えていないからなのです。

たとえば、カメラが大好きだという人がいるとしましょう。機材にもお金をかけているし、撮影技術も学んでいる。モデルを撮影したり、風景を撮影したりして経験も豊富。「でも、プロには勝てないし、自分のカメラ好きは趣味だから……」。こう考えて思考を停止してしまう人が週末起業を目指す人にものすごく多いのです。

しかし、ちょっと待ってください。

それは、プロカメラマンという、ひとつのビジネスのカタチと比較したときに、お金が稼げないと言っているだけ。実は、お金を稼ぐ方法はそれ以外にもたくさんあるのです。プロカメラマンは、撮影のプロ、つまり、撮影をする「スキルを売る」ビジネスです。しかし、カメラをキーワードにして、考えられるビジネスはたくさんあります。たとえば、カメラの機材を売るというのでもいいでしょう。撮影機材の選び方や撮影の仕方、照明機材の使い方などを教えるというのもあります。プロカメラマンとお客様をマッチングさせるというビジネスもあります。自分に合ったビジネスの方法を選ぶということが、好きなことをビジネスにするために最も必要なことなのです。

ジョギングをビジネスにしてしまった週末起業家

こんな実例があります。ジョギングインストラクターの塚田圭一さんです。彼はダイエットをするために、ジョギングを選んだのがきっかけで、走ることが大好きになり、ついには週末起業のビジネスにしてしまったという方です。

彼のビジネスは、走り方を教える有料レッスンやジョギングイベントの開催など多岐に渡っていますが、最も人気があるのが全国各地で開催されるフルマラソン大会のコンシェルジュだといいます。彼は何度も大会に出場した経験から、コース概要やエントリー方法、現地までの交通やリーズナブルで過ごしやすい前泊先、レース後の観光までさまざまな情報をアドバイスしてくれるのです。また一人参加だけど、一緒に誰かと走りたいという人のために、大会で一緒に走ってくれるランナーのマッチングも行っています。

実は全国各地のフルマラソン大会に出場したいと思っている人は、趣味として楽しみたい人がほとんど。つまり、大会を十二分に楽しめる方法を教えてくれる塚田さんは、とてもありがたい存在なのです。このコンシェルジュ事業のおかげで、現在では新しくマラソンを始めたいという人からも問い合わせが多くなり、レッスンやイベントなど他の事業の売上も順調に伸びているといいます。もちろん、塚田さんはオリンピックに出場した経験もありませんし、体育大を卒業したスポーツ科学の専門家というわけでもありません。端から見れば、ビジネスでお金を稼げる要素はまったくなかったのです。しかしながら、塚田さんは見事に自分の好きなことで週末起業を立ち上げ、お金を稼いでいます。

なぜそのようなことができたのか、それは、塚田さんが自分の好きなことに徹底的に向き合ったからなのです。

彼はフルマラソン大会に何度も出場するなかで、自分と同じ悩みを抱えている人がいかに多いかを知ることが出来ました。同時にランナー同士のネットワークを広げて行くことも楽しいと感じたそうです。そうしたところに自分の知識や経験、スキルが活かせる場所を見出した。それが成功した最も大きな理由なのです。

まずは、自分の棚卸しをしてみよう

冒頭に紹介したように自分の好きなことでビジネスをするためには、自分の知識や経験、スキルを「どうしたらお金に変えることができるのか?」を考えることが欠かせません。しかし、そのことを考える前に、まずは自分の棚卸しを徹底的に行うことをお勧めします。

たとえば、前述したカメラが好きな人もカメラが好きになった“経緯”というものが必ずありますし、また、なぜそこまでカメラ好きになったのかという没頭することになった“きっかけ”や“背景”というのが必ずあるはずです。

そして、一口にカメラが好きといっても、その好きの“対象”はさまざまです。カメラそのものが好きなのか、撮影することが好きなのか、それともカメラの知識を人に教えることが好きなのか、皆で集まってワイワイとカメラ談義をするのが好きなのかなど細かく見ていくことで、ビジネスになる糸口を見つけられるものです。

ですので、まずは自分を知ること。自分の棚卸しにビジネスチャンスが隠されているのです。