週末起業コラム

「企画が煮詰まってから...」は5年分の損!?
樺木 宏(かばき ひろし)氏(その6:最終回)

「起業家登場!」現役起業家への突撃インタビュー


起業家として活躍する先輩達へインタビューを敢行!
彼(女)らのロールモデルから学びを深めてください。(〇聞き手 ●起業家)

前回のあらまし


出版企画が採用されるためには読む人の目線に立つという心構えや、マーケティングの考え方が欠かせません。

さらに、編集者にとって社内の会議にかける企画書には「サラリーマンとしての評価」が掛かっていることを理解することも大切です。

樺木 宏氏(その6:最終回) 出版コンサルタント プレスコンサルティング代表


■成功の鍵は、アドバイスを受け入れる柔軟さ

◯企画が素晴らしくて企画会議に通ったのにも関わらず、結局、本を出版できないという著者も中にはいらっしゃいますね。そういう人はどのあたりが問題になっているのでしょうか?

●実際はそういうケースはあまりないのですが、やはりマインドセットが一番大きいのではないかと考えられます。編集者にこういう風に書いて欲しいと直されたものを拒否するなどです。

自分の企画を否定されるということが、自分のビジネスや人格の否定のように捉えるというケースがほとんどじゃないかなと思います。

多くの場合は著者側が感情的になってしまってダメになってしまうんですね。

編集者も企画を通した以上、出版しないと社内の立場が苦しくなるはずですから、出版をスムーズに進めるためにアドバイスをしたり、赤字を入れたり、書き直したりしているんですね。

ところが、著者側でこんな風に書き直しをされるのであれば出版したくないとなってしまう、という話がほとんどなのではないかと思います。

ですので、やはり自分を客観視して、アドバイスを受け入れられる著者の思考の柔軟さが、出版を成功に漕ぎ着ける要素になってくると思っています。


■「企画が煮詰まってから...」は5年分の損!?

◯そうした話を踏まえて、出版企画コンテストに向けて、注意点があれば教えていただきたいと思います。

出版企画コンテストをいろいろな人に薦めると、「まだ時期尚早です」とか、「企画が煮詰まってから」というのが多いのですが、初心者が考えるよりも、専門家に相談したほうがいいアドバイスが出るような気がするんですけれども、いかがでしょうか?

●自分のレベルを言い訳になさる人には、変えられたくない、否定されて傷つくのが怖いという気持ちがあるものです。特に日本人の男性は世界的にその傾向が強く見られます。

一定のレベルまでいかないと習い事を明かさないといった国民性があります。

そういった方からすると、絶対相手に有無を言わせないぐらいのレベルまで高めてから、安心して出版したいということだと思います。

そういう人にとっては、アドバイスをしますよと言っても行動に移すのはなかなか難しいようです。

◯そのように突き詰めて考えてから出版に臨むからこそ、ちょっと書き直されてしまうと、逆に頑になってしまうのではないでしょうか?

●そうですね。そういう人に言うのは「今、柔軟になれれば5年短縮できます」といったことです。

「出版社に断られ続けてから直すか、予め先に直しておくかで5~10年違ってきますよ」と伝えると、少し心が動くみたいですね。

実際に出版企画コンテストを通じて5年前からチャレンジし続けている人の中には、5冊出版していたり、8冊出版していたりする人が何人もいるわけです。


■自分の企画に時代が追いついてくる場合も

◯たとえば、現在はダイエットコーチの小林一行さんは5回チャレンジして5回目でやっと企画が通りましたが、今では何冊も出し続け、累計15万部のベストセラー著者ですからね。

●まさに行動し続けたからこそですね。特に、自分の提案した企画に時代が追いつくというのがあります。

小林さんの場合はまさにそうで、5回目に企画が通った時期は、ダイエット本は若い女性をターゲットにするという常識が変わり、中高年男性に向けた本を出そうという機運が高まっていたんです。

小林さんには、ご自分の強みを生かした「中高年男性」と「ダイエット」を組み合わせた企画を提案しましたが、このときに時代がちょうど追いついたという感じです。

◯長くやっていればそういうタイミングに出会う確率も高まるということですね。

●小林さんの場合は「中高年男性にダイエットを語れる数少ないプロ」というポジションを得たことで、その後出版社からのオファーも相次ぎ、その後のご活躍は多くの人が知る所ですね。行動し続けていれば、必ずチャンスは巡って来ますよ。

◯本日はありがとうございました。

★次号からはプロコーチの尾村麻由美さんです。

※間もなく受付開始します!アンテレクトの「出版企画コンテスト」
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