週末起業コラム

週末起業のために投資した「意外なモノ」とは?
綾部貴淑(あやべ きよし)氏(その3)

「起業家登場!」現役起業家への突撃インタビュー


起業家として活躍する先輩達へインタビューを敢行!
彼(女)らのロールモデルから学びを深めてください。(〇聞き手 ●起業家)

前回のあらまし


資格取得を目指すビジネスマン向けの完全スマートフォン対応オンライン資格講座「通勤講座」を開発した、綾部さん。

当初から明確な事業プランがあったわけではなく、週末起業フォーラムなどをきっかけにとにかくアイデアをひねり出し、約100個ものプランを作ったそうです。

その中で「時間の切り売り」にならないオンラインビジネス、という結論に辿り着きます。

綾部貴淑(あやべ きよし)氏(その3) KIYOラーニング株式会社代表


■週末起業にはどんな苦労が?

○まさに先見の明というか、目の付け所に関心をします。それでも、ここに至るまでは、順風満帆ではなくて結構、苦労をされたんじゃないかなと思います。

敢えて今日は苦労話みたいなことをお聞かせ頂きたいと思っています。会社にいながら、週末起業をされていてどんな苦労がありましたか?

●そうですね。まず時間に関しての苦労がありました。

○時間がないということでしょうか?

●はい。やはり本業の仕事がありますから。講座のしくみをつくるというのもそうですし、講師として音声を収録する作業もあります。

講師に関しては他に代用すれば良いという考え方もありましたが、なかなか適当な人がいなかったのと、お金がなかったこともあり、自分でやってしまったんです。

先ほど申し上げたように、実際に中小企業診断士の資格も、実はそのために取得したというのもあったんですね。

その実験をもとに、講座で使う勉強法を自分なりに開発しながらつくったんです。そうすれば自分が第一の実験台になれますのでね。

それで合格しないようだったらこの事業は止めようと思ったんです(笑)。

○自ら実験台になったということですね。

●はい。皆さんにお薦めできるようにしてからビジネスとしてやろうと思いました。幸いその勉強法を活用して1年で資格を取ることができました。

そこで、そこからは本格的に事業化をしていきました。実際にはテキストをつくり、マイクの前で読み上げてそれを収録するということをやっていたのですが、テキストをつくる時間が結構かかるんです。

中小企業診断士だと結構、分量が多いですし、60講座ぐらいありましたから、つくってから何ですが、「これは、かなりすごいことを始めてしまったな......」と思いました。


■時間をつくるためにマンションを借りる

○それを切り抜けた秘訣を伺いたいですね。やはり時間がどうしてもなくなってしまいますよね。

●時間というのは自分で見つけることで得られるものだということと、まとまった時間が取れるかどうかを待っていても時間は取れないことがわかりましたので、無理矢理にでも週末起業を優先しました。

まっさきに削減対象になったのは、通勤時間ですね。

音声を収録するには収録する場所が必要です。普通の部屋だと、外で車が通ったり、ちり紙交換や救急車のサイレンが鳴ったりして台無しになってしまいます。

ですので、ある程度防音があるスタジオを借りる必要があったんです。

だったら勤務先の近くの防音対策がしてある住居を借りてしまおうと思いました。

家といってもマンスリーマンションでリスクはそれほどありません。たぶん月10万円ぐらいだったと思いますが、そこを借りました。

務めていた勤務先から一駅ぐらいのところだったので、頑張れば歩いて帰れる距離です。ですので、会社帰りや昼休みにそこで収録していました。

○細切れ時間をうまく集めて捻出したということなのでしょうか?

●そういうことになりますね。

部屋を借りるなど時間の捻出を考えはじめてから、週末起業のためには、サラリーマンの仕事にもある程度手を加えなければいけないと気がついたんですね。

なるべく残業を短くするように人にタスクを振って効率的な仕事のやり方を考えるといった工夫をした上で、時間をつくったという経緯があります。

○会社にいながら何かをやるとなると、どうしても時間の問題に悩まされると思うのですが、今の話を聞いていると、知恵を絞れば時間を捻出することはできるということですね。

●そうなんです。ただし、本当に時間をつくろうという意欲が何よりも大事かと思います。

その甲斐あってか、純粋に本業と週末起業で二足の草鞋を履いていたのは半年ぐらいなのです(笑)。

会社にはもう少し在籍していたのですが、ほとんど後半は週末起業が中心だったということですね。

(次号へつづく)

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