Total Office Net(パソコン設定代行・HP作成)-平野健太郎さん

Total Office Net(パソコン設定代行・HP作成)-平野健太郎さん

SOHO、個人事業主向けをメインターゲットにI Tサービスを提供

本業でネットワークSEとしての業務に携わってきた平野健太郎さん。街の「IT診療所」として自ら週末起業でパソコン設定の代行、ホームページ作成をスタートしました。国内大手パソコンメーカーの関連会社に入社していた平野さんが、どうして地域密着型のITサービスを始めたのか?まずは週末起業を始めた経緯からお伺いしました。

週末起業を始めたきっかけを教えてください
2002年に富士通株式会社の子会社である、富士通ネットワークソリューションズ株式会社に入社し、ネットワークSEとして勤務し始めました。当時一緒に入社した同期生は約60人。そのうち自分を含めた2人が仙台勤務を命ぜられ仙台に赴任しました。転勤という形ではないため、いつ東京に戻って来られるのかどうか分からないという状況の中、自分の中で30歳という区切りの年までに起業したいと思うようになっていきました。また、同じく東京出身の妻も美容系の専門学校を出た後、子育てをしながら仙台のネイルサロンで働きたいと考え始めていた時期でもありました。ただ仙台ではまだネイルサロンの市場が確立されておらず、子供を抱えながら働ける場所があまりないので妻も徐々に東京で働きたい、と思うようになっていきました。そこで、30歳という節目の年、妻の仕事環境の問題のタイミングを見計らって、2007年、会社を辞めて関東に戻り、起業することになりました。

どのようにして週末起業をはじめたのですか?
仙台赴任中のときから、少しずつ週末起業の活動をスタートさせていました。まずは起業マインドの意識改革からということで、2005年10月にフォレスト出版のリーダーズクラブのセミナーへ参加しました。

当時のセミナーの内容は「3人のプロがあなたの起業を成功させます」というテーマの講演でした。

3人の講師は週末起業フォーラム代表藤井孝一さん、『借金バンザイ』などの著書がある小堺桂悦郎さん、そしてランチェスター経営の竹田陽一さんでした。

このセミナーで刺激を受け、2006年正月から週末起業フォーラムの会員になりました。会員になってからすぐ活動を開始したというわけではありません。なかなかきっかけがなくて思うように週末起業をスタートすることができませんでした。そこで2006年の夏の大交流会へ参加することにしました。

会員数人と面識ができ、その後、ちょくちょく連絡をとるようになりました。週末起業の活動として最初にまず行ったのはメルマガを書き始めたことです。神田昌典氏の「仕事のヒント」というメルマガにちなんで「LANのヒント」というタイトルをつけました。(現在は「IT診療所のヒント」)ネットワークのSEとしての経験を活かしてパソコンとネットワークの設定代行ができればと思い、情報提供していきました。

内容は、WindowsでLANを設定する方法など、実践的な内容を書いていくことにしていました。

反響はあったのですか?
結構、反響はありましたね。実際にネットワークをどうやって構築するかということを現場感覚で具体的に書いたので、反響も非常に大きかったと記憶しています。購読されている方はさまざまでビジネスマンから中小企業の経営者みたいな方もいらっしゃいました。

メルマガが軌道に乗ってきた後に独立?
そうですね、昔から何かの形で独立したいと思っていました。大手のITソリューションというのは、この頃かなり成熟化していましたから、地域密着型でターゲットをSOHOや個人事業主、中小企業経営者にすれば売上も確保できるのではないかと考えました。

そしてホームページを作成し、本格的に起業するビジネスの体制を整えました。2007年正月に仙台で開催された週末起業フォーラムの集まりに参加し、そこで仙台のエリアパートナーの方と知り合いになりました。この方とはその後も定期的に連絡を取り、相談にも乗って頂くようになりました。大交流会をはじめ、イベントなどで知り合った方を通じて徐々に仕事につながっていきましたね。

週末起業フォーラムのイベントで培った人脈から仕事が始まっていったということですか?
そうですね。交流会で出会った後、コンスタントに連絡を取るように心がけました。そのうち、少しずつ仕事の依頼をされるようになっていきました。最初は実績づくりのためもあって、無料でホームページを作成していました。トータル1~2週間位かかりましたが。また、交流会で出会った、自分と同じようなビジネスを行っている方がちょうど新たにパソコンの設定代行をサービスメニューに取り入れるところでした。それで、ちょうど人を探していたことから、自分に仕事の依頼が来たというケースもありましたね。そういう方と今でも継続して交流させて頂いています。メーリングリスト等を通して常に情報交換するように心がけています。また、以前、ネットワークの勉強についてのメルマガを購読していたことがあったのですが、その際、内容に感銘を受け、ファンメールを送ったことがありました。

その時はレスポンスがありませんでした。しかし後日、マインドマップのインストラクターになるためのセミナーへ参加した際に初めてお会いすることができました。そしてファンメールのことを覚えて下さっていて、それがきっかけとなって交流させて頂くようになりました。その後、その方からwebサイトのリニューアルの仕事を頂くことができました。また、税理士事務所をご紹介頂き、ホームページ作成の仕事をすることができました。

売上を上げるためにどんな工夫をしていますか?
週末起業フォーラムの交流会などで知り合った方とは常に連絡を取るようにしています。イベントやセミナーに積極的に参加することはもちろん、その後も継続的にコンタクトを取り、自分からもこういうことをやっています、こういうことができます、という情報発信をしています。実際そこから仕事につながったケースが多々あります。

また、地元の商工会議所に加盟して会員になりました。地域に密着した人脈をつくるためにはいい場所だと思います。商工会議所が主催するイベントやセミナーにはなるべく顔を出すようにしています。実際地元には高齢層が多く、あまりパソコンなどに詳しい人が少ないので、ビジネスとしてお手伝いできる余地があるのではないかと。

また、セミナーなどでお会いした方、たとえば美容室や飲食店の方などに"ついで営業"を行っています。距離的に近いので何かあったときには頼もうかなと言ってくださることもあり、常にアピールをしています。直接仕事に関わることではなくても、地元のイベント等で人手が足りないので手伝ってくれないかと依頼された場合は積極的に出かけるようにしています。つい最近はジーンズショップの店長さんから、フリーマーケットに出店するので手伝ってくれないか、という話がありました。まずは人と人とのつながりを大切にすることでゆくゆく仕事につながっていくこともあるのではないかと思っています。また、マージャン用具を販売しているお店の方は将来的にネットショップのサイトを充実させたいということをおっしゃっていましたので、ゆくゆくは何かお手伝いできるかもしれません。

今後の展開について教えてください
以前、週末起業フォーラムの大交流会で知り合って仕事を頂いた方から現在、CMS(コンテンツマネジメントシステム)の話が来ています。CMSとは、通常ホームページを構築する際に必要なHTMLなどの知識を習得する必要がなく、あらかじめ用意してあるテンプレート(ひな型)を利用してサイトをつくることができるものです。画像を作成したり、デザインを考えたりする必要がなく、ブログ感覚でホームページが持てるようなサービスです。初期費用がかからないので、お客さん側ではwordができればOKなので割と気軽にホームページを持つことができます。今後月額5000円位でサービスを提供していく予定です。また、場合によってはこちらのアンケートに答えて頂ければ、あとは全て制作まで自分の方でやるというパターンも検討することで徐々にサービスの幅も広げていきたいと考えています。